2003

小坂町渡ノ羽町営住宅

House, Housing

小坂町は秋田と青森の県境にある。多雪地帯で高齢者にも配慮し、無落雪屋根を採用。そのため外観はフラットな矩形のシンプルな形状。外壁の黒いガルバリウム鋼板小波張り仕上げでさらに単純さが強調された。

間仕切りはすべて可動式とし、取り外すことも可能で、ワンルームのようにも使える。構造は工場製作のプレカット材の合理的なシステムである。設備は、冬季はFF式暖房機を1台だけ南側の土間に置き、そこから床下に温風を送り込む方式とした。床暖房としては非常に簡易な方式だが、これ1台で全室暖房が可能である。夏季には床下のファンを運転させ、床下の冷気を各室に循環させている。夜間電力を使った蓄熱式貯湯タンクを各戸に備えた。炭、珪藻土、アカシア等、地場産材を活用している。床下に炭+珪藻土入りの袋を敷き詰め、調湿・消臭・防虫・空気浄化に役立てた。食堂兼居間と洋室には町の花「アカシア」の無垢材を使った。段差をなくす等、ユニバーサルデザインにも充分配慮している。

所在地:

秋田県小坂町

設計期間:

2002.07~2003.03

施工期間:

2003.04~2003.07

用途:

町営住宅

構造:

木造、平屋建

規模:

延床面積 186.17㎡×2