建築は人と自然を共存させる仕組みのようなものです。 その仕組みにとって、光はなにより大切なものとして、存在しています。なぜなら光は、建築がもっとも明確に捉えることのできる、自然の一要素だからです。
 
   
 ある時には、光が構造と戯れ、躍動する空間を織りなしてくれます。またある時は、光は壁沿いに静かに佇み、静謐な祈りの場を生み出します。人間の営みと自然とが対話する際に、どうしても建築により顕在化された、こうした光の表情は欠かせないものなのです。
 
   
 また時に、建築は、大自然のまっただ中に置かれることもあります。そこでは自然に立ち向かうことなく、静かにひたすら控えめに佇む。これもまた、人間と自然との融合をかなえる、寡黙ですが、的確な手段であると思います。  
   
 風土と歴史を、建築の中で表象することは、人々の生活と自然との関わりを記憶としてとどめる作業です。こうした場合には饒舌な演出を加え、見る人に深い印象を与えることも許されることでしょう。